「うちの子、音符が全然読めないんです」
ピアノを習っている保護者の方から、よく聞くお悩みです。
レッスンでは先生と一緒に弾けるのに、家で楽譜を開くと手が止まってしまう。
右手のメロディは何となく読めても、左手やヘ音記号になると急に分からなくなる。
音符を読むのに時間がかかって、練習を始める前から疲れてしまう。
そんな姿を見ると、
「このままで大丈夫かな」
「楽譜が読めないと、ピアノは続かないのかな」
「家でどう教えてあげたらいいんだろう」
と、不安になりますよね。
ピアノ講師歴17年・累計500名以上を指導してきたこぱんです。
ヤマハ音楽教室で10年、たくさんのお子さんを見てきた中で感じるのは、音符が読めない子の多くは、努力が足りないわけではないということです。
ただ、楽譜の「どこを見ればいいのか」が分からないまま、いきなり曲を弾こうとしていることが多いんです。
この記事では、小学生のお子さんが音符読みでつまずく理由と、保護者の方が家でできるサポート、そして「小学生の音符読みレッスン」についてお話しします。
小学生が音符読みで止まるのは、珍しいことではありません
まず最初にお伝えしたいのは、小学生のお子さんが音符読みで止まるのは、決して珍しいことではないということです。
ピアノを始めたばかりの子にとって、楽譜は情報量がとても多いものです。
- ト音記号
- ヘ音記号
- 五線
- 音符の高さ
- 音の長さ
- 指番号
- 拍子
- 右手と左手
ピアノのご経験のある保護者の方は「音符を読んで弾くだけ」と思いがちですが、子どもから見ると、楽譜の中には見るものがたくさんあります。
特に小学生くらいになると、幼児さんより理解力は上がります。
でもその分、「間違えたくない」「読めない自分が恥ずかしい」という気持ちも出てきます。
だから、読めないことを責められると、音符そのものが嫌いになることがあります。
「音符が読めない=やる気がない」ではありません。
読む順番を知らない。
目印を知らない。
どこから考えればいいか分からない。
まずは、そう捉えてあげてほしいんです。

音符読みは「丸暗記」だけで進めると苦しくなります
音符読みというと、
「これはド」
「これはレ」
「これはミ」
というふうに、1つずつ名前を覚えるものだと思っていませんか?
もちろん、音の名前を覚えることは大切です。
でも、音符を全部丸暗記しようとすると、子どもはかなり苦しくなります。
特に、ト音記号とヘ音記号の両方が出てくると、
「さっきのドと場所が違う」
「左手になったら分からない」
「毎回ドレミファソって数えないと読めない」
となりやすいんです。
音符読みで大切なのは、全部を暗記することよりも、まず目印を持つことです。
例えば、
- まんなかのド
- ト音記号のソ
- ヘ音記号のファ
- 1つ飛ばしの形
- 左手によく出る音のまとまり
こうした目印があると、楽譜は少しずつ「黒い点の集まり」ではなく、「どこの鍵盤を弾くかを教えてくれる地図」に変わっていきます。
音符は「どこの鍵盤を弾くか」を教えてくれるしるし
お子さんに音符読みを伝える時、私はまずこう考えてほしいと思っています。
音符は、どこの鍵盤を弾くかを教えてくれるしるしです。
難しい理論から入らなくて大丈夫です。
「この音符は、どこの鍵盤につながっているのかな?」
「この音は、まんなかのドより上かな?下かな?」
「前の音と同じかな?おとなりかな?1つ飛ばしかな?」
こうやって、楽譜と鍵盤をつなげていくことが大切です。
最初から速く読めなくても大丈夫です。
むしろ、最初のうちはゆっくりでいいんです。
1つの音符を見て、鍵盤の場所を探せた。
まんなかのドを見つけられた。
前の音からおとなりに進むと分かった。
それだけでも、音符読みの大きな一歩です。
家で教える時は「答えを急がせない」ことが大切です
おうち練習で音符読みを見ていると、つい言いたくなる言葉があります。
「これは何の音?」
「早く読んで」
「この前もやったよ」
「なんで分からないの?」
保護者の方が悪いわけではありません。
レッスンで進んだところを家でも練習してほしい。
宿題ができないまま次のレッスンに行くのが不安。
せっかく習っているから、少しずつ読めるようになってほしい。
そう思うからこそ、声をかけたくなるんですよね。
でも、音符読みが苦手な子にとって、「早く答える」ことを求められると、考える前に固まってしまうことがあります。
家でできる声かけは、答えを急がせることではなく、考える順番を一緒に作ることです。
| 言いがちな言葉 | 変えてみる声かけ |
|---|---|
| これは何の音? | まず、まんなかのドを探してみよう |
| 早く読んで | ゆっくりで大丈夫。前の音から見てみよう |
| さっきもやったよ | もう一回、目印から一緒に見よう |
| なんで分からないの? | どこで迷ったか、一緒に探してみよう |
| 覚えなさい | 覚える前に、見る場所を確認しよう |
大切なのは、子どもが「間違えたら怒られる」ではなく、「分からなくても一緒に考えてもらえる」と感じることです。
ト音記号は読めても、ヘ音記号で止まる子は多いです
音符読みでよくあるのが、右手は読めるけれど、左手になると止まるパターンです。
これは本当によくあります。
ト音記号は、右手のメロディでよく出てくるので、比較的なじみやすいです。
でもヘ音記号は、左手の低い音で使うことが多く、見た目も違います。
子どもからすると、
「さっきまで読めていた場所と違う」
「急に別のルールになったみたい」
「左手の音が多くて、どこを見ればいいか分からない」
と感じやすいんです。
だからヘ音記号は、気合いで覚えさせるよりも、まず「ファが目印」として見せてあげるのがおすすめです。
ト音記号はソが目印。
ヘ音記号はファが目印。
この2つを知っているだけでも、楽譜の見え方は変わります。
1つずつ数えなくても読める「まとまり」を知ろう
音符読みが苦手な子は、毎回ドから順番に数えていることがあります。
ド、レ、ミ、ファ、ソ。
またドに戻って、ド、レ、ミ。
これを毎回やっていると、読むだけで疲れてしまいます。
そこで知っておきたいのが、1つ飛ばしの見方です。
例えば、ド・ミ・ソ。
これは鍵盤でも1つ飛ばしですし、楽譜でも線・線・線、または間・間・間のように見えます。
音符が縦に重なっている時も、1つずつ読むのではなく、
「これはドミソのまとまりかな?」
「これは左手でよく出る形かな?」
と見られるようになると、かなり楽になります。
ここで大切なのは、いきなりコード理論として難しく教え込まないことです。
まずは「この形、見たことある!」で十分です。
形に気づけるようになると、左手の楽譜も少しずつ読みやすくなります。
音符読みは、最終的に「自分で練習する力」につながります
音符が読めるようになると、何が変わるのでしょうか。
ただドレミが言えるようになるだけではありません。
音符が読めると、
- 楽譜を見て、最初の音を探せる
- 右手と左手の場所を確認できる
- 前の音から次の音へ、どう動くか考えられる
- レッスンで習ったことを家で思い出しやすくなる
- 知っている曲を自分で弾いてみようと思える
つまり、音符読みは「楽譜を見て自分で練習する力」につながります。
もちろん、最初から全部を1人で読める必要はありません。
でも、
「ここを見ればいいんだ」
「この音はこの鍵盤かな」
「前より少し分かる」
という感覚が出てくると、子どもの表情は変わります。
音符読みは、ピアノを苦しくするためのものではありません。
本来は、子どもが自分で音楽に近づくための道具なんです。
小学生向けの音符読み講座をご用意しました
今回、小学生のお子さん向けに、
楽譜が“読めない”から“わかる!”に変わる 小学生の音符読みレッスン
をご用意しました。
この講座では、音符の名前を丸暗記するだけではなく、楽譜の見る場所と読む順番を、動画で少しずつ確認していきます。
内容は、次のような流れです。
- 音符が読めないのは当たり前。まずは見る場所を知ろう
- まんなかのドから音符を読んでみよう
- ト音記号の音符を読もう
- ヘ音記号の音符を読もう
- 1つ飛ばしで音符が読める!ドミソのまとまり
- 左手の音符が読みやすくなる3つのまとまり
- ロンドン橋の音符をこぱん先生と一緒に読もう
- 音の長さと拍子を見て、曲らしく弾いてみよう
この教材で目指すのは、「すぐに全部の楽譜を完璧に読めるようにすること」ではありません。
大切にしたいのは、
という小さな成功体験です。
音符読みで止まりやすいお子さんに、楽譜への苦手意識を少しでも軽くしてもらえたらと思っています。

ご購入後は、会員サイトで動画を見ながら、お子さんのペースで進めていただけます。
講座の詳しい内容・お申し込みは、こちらのページでご案内しています。
まとめ
小学生のお子さんが音符読みで止まるのは、やる気がないからとは限りません。
楽譜のどこを見ればいいのか。
どの音を目印にすればいいのか。
前の音からどう考えればいいのか。
その順番が分かると、楽譜は少しずつ読めるものに変わっていきます。
大切なのは、
- 音符読みを丸暗記だけにしないこと
- まんなかのドなどの目印を作ること
- ト音記号とヘ音記号を分けて考えること
- 1つ飛ばしやまとまりで見ること
- 家では答えを急がせず、考える順番を一緒に作ること
です。
音符読みは、子どもを苦しめるためのものではありません。
楽譜を見て、自分で音を見つけて、少しずつ曲に近づいていくための力です。
お子さんが「読めないから無理」ではなく、「ここを見れば分かるかも」と思えるように、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
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著者プロフィール
こぱん
元ヤマハシステム講師として10年・現在もオンライン講師として活動中。
ピアノ指導歴17年・累計500名以上を指導。
音楽大学のピアノ専攻卒業後、一度は自信のなさからピアノを離れた経験を持つ。現在は、ピアノ初心者の方や保護者の方へ向けて「楽しく音楽と付き合う方法」を発信している。
- YouTube 1万人超
- Instagram 2万人超
- TikTok 約2.1万人
- 公式LINE 2,000名以上
- 楽譜販売 2,500部以上



